亀戸天神の四季『夏』
夏越祓(なごしのはらい)
茅の輪(ちのわ)くぐり 6月25日
6月、12月の年に2度の大祓い(おおばらい)のうち、6月の行事を特に‘夏越祓’と称します。
夏越祓は今年1月から半年の間、心ならずも身についた罪穢れ(つみけがれ)を祓う神事です。
茅(かや)で作った‘茅の輪’をくぐる事から‘茅の輪くぐり’とも言い、
先頭の神職が祓いの和歌を唱え、左、右、左と3度くぐります。
茅は古来、物事を清め祓うものと言われ、輪になる事でより逞(たくま)しく強い力を持つと信じられて来ました。
※祓いの和歌
水無月(みなづき)のなごしの祓いする人は千年の命 延(のぶ)と云うなり
筆塚祭 (ふでづかさい) 7月25日
菅公は、書道の神様として、皆様に深く信仰されています。
境内には4基の筆塚がありますが大鳥居をくぐり右側の筆塚の前で午前10時から執り行います。
筆は、古くから「文房至宝」(ぶんぼうしほう)の一つとして大切にする習わしがあり、
筆に関わる職業の人達(書道家や絵師)たちは使い古した筆を甕(かめ)に入れて、
貯まった時に土中に埋め、その上に塚を建てて筆への感謝祭を行いました。
今まで使った筆、清書などをお持ちいただき祭壇にお供えし更なる書道上達と感謝をお祈りします。
古筆、清書などは、祭典終了後、筆塚の前で御焼納(おたきあげ)をいたします。
平成2年に本殿前の庭に「文房至宝」(四宝)の碑が建立されました。
文房至宝(ぶんぼうしほう)
中国より渡来した紙、筆、墨、硯の4つを意味し日本の高い文化を育てる文具として貴重品であり大切にされています。
例大祭 (れいたいさい) 8月25日
天神様の年間を通じて一番重要なお祭がやって来ます。
氏子の家々にはご祭礼提灯がゆらぎ、お囃子の音と担ぎ手の威勢のよい掛け声に、
町内の皆が胸躍らせ見守る中、待ちに待った神輿(みこし)と曳太鼓が町内を練りながら巡行します。
江戸下町の勇壮な絵巻が繰り広げられます。
例大祭では、氏子、町内にとどまらず国の安泰と繁栄を祈願し、宮司が祝詞を上げます。
又、4年に一度の大祭には菅公の御霊(おみたま)を乗せた御鳳輦(ごほうれん)が氏子町内を巡行し、
全ての町神輿が連なって宮入する連合渡御(れんごうとぎょ)で最高潮を迎えます。
(年により日にちは変わります)
献灯明(けんとうみょう) 8月25日
昼の喧騒からうってかわって、夜の境内には、神前から分けられた1,000個以上の灯明が灯り、静寂の闇につつまれます。
心字池に映る様は、昼とは違う趣をみせます。灯明の灯りは、道真公をお守りしていることを表しています。
献灯は、7時から本殿前で受け付けられ、どなたでも参加できます。
お名前を記した灯明が、夜の境内を浮かび上がらせます。
御鳳輦渡御祭 (ごほうれんとぎょさい)
8月25日に近い土曜日
鳳輦の起源は神輿(みこし)より古く、中国の風俗文化の移入により伝わった天子や高僧などの乗り物とされて来ました。
主に関西地方が多く、静かに担がれたり、車輪をつけ黒い牛が引きます。
4年に一度の大祭の時に御鳳輦を初め平安朝絵巻を再現した華やかな長い行列を仕つらえ渡御(とぎょ)いたします。
午前8時に発輦(はつれん)して、氏子町内を巡行し、午後5時頃に還御(かんぎょ)します。
当神社の鳳輦は、戦災を免れ日本でも大変めずらしく立派なもので都内でこのような鳳輦は当神社のみです。
(四年に一度の大祭時に斎行)
氏子神輿宮入り(うじこみこしみやいり)
8月25日に近い土曜日
平安絵巻を思わせる御鳳輦渡御の“静”から一転して氏子町会25基の神輿が連なって
宮入りする“動”の連合渡御は、正に江戸の華 ・・・・・・
天神橋を渡り続々と姿を現すと、氏子だけでなく見守る見物の方々まで心躍る祭の醍醐味を味わえます。
神輿渡御は“和をもって背負う”(ワッショイ)掛け声からも分かるように、みんなが助け合う下町の絆と、天神様の氏子であることに誇りを感じる素晴らしい一時です。
(四年に一度の大祭時に斎行)